2022年11月、おとなり静岡県の病害虫防疫所から「病害虫発生予察特殊報」が発表されました。
同年10月下旬に、サツマイモ購入者から
「内部が黒変した被害イモ」と「寄生していた害虫」について問い合わせがあり、
名古屋植物防疫所の調査の結果、【アリモドキゾウムシ】であることが判明したそうです。
今回は【アリモドキゾウムシ】とはどういった害虫なのかについてまとめてみました。
本業としてサツマイモを栽培される方はもちろん、産直に出荷される方や家庭菜園で栽培される方、
そして栽培者だけでなくサツマイモを買う方にも知っておいていただきたい情報ですので、
ぜひご一読いただければと思います。
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画像出典:農林水産省HP「アリモドキゾウムシに関する情報」内『アリモドキゾウムシとは』より
アリモドキゾウムシは、一見アリのような見た目をした害虫で、
主な被害は幼虫によるサツマイモの食害です。
本種は、国内では奄美諸島や沖縄諸島、小笠原諸島などに分布しており、
作物に大きな被害をもたらす害虫として「特殊病害虫」に指定されています。
「特殊病害虫」の蔓延防止と根絶のため、
対象病害虫の発生地からの「生の寄主植物」の持ち出しが禁止されており、
未発生地への侵入が確認され、必要があると判断された場合には、
静岡県においてアリモドキゾウムシの発生が確認されたことを受けて提案された「緊急防除案」の主な内容は、
などがあります。
万が一、疑わしい害虫や被害イモを発見した場合は放置せず、購入店等にご連絡ください。
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安全なサツマイモ栽培を守るために大切なことは、
〈病害虫について知っておくこと〉と〈安全性の確認できる種芋・苗を使うこと〉です。
〈知ること〉は、農業者にも、そうでない人にも共通して大切なことです。
知っていれば、購入者からの病害虫の発見・報告による防除の早期化など、
私たちの食卓に欠かせないサツマイモを守る行動につながる機会が増えるはずです。
そして、サツマイモを栽培する人はその規模の大小に関わらず、
種苗を購入する際には〈信頼のおける購入先〉を選んでいただきたいです。
たとえ市場に出荷しないとしても、ひと続きの大地の上で栽培することに変わりはありません。
病害虫発生のリスクを抑えるためにも、万が一問題が発生した場合にその原因を正しく把握するためにも、
安全性が確認できる種苗を使用することが重要です。
以上、今回の記事が日本の安心安全なサツマイモ栽培の一助となれば幸いです。
【参考】
農林水産省HP「アリモドキゾウムシに関する情報」
URL(https://www.maff.go.jp/j/syouan/syokubo/keneki/k_kokunai/arimodoki.html/arimodoki.html)
静岡県病害虫防除所発表「令和4年度病害虫発生予察特殊報第1号」
病害虫防除所URL(https://www.agri-exp.pref.shizuoka.jp/boujo/boujo.html)
愛知県発行「令和4年度病害虫発生予察特殊報第2号」
愛知県HP あいち病害虫情報URL(https://www.pref.aichi.jp/site/byogaichu/index.html)
農研機構発刊「サツマイモ基腐病の発生生態と防除対策(令和3年度版)」
農研機構URL(https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/pamphlet/tech-pamph/151859.html)