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10年ほど前から発生し問題になっているトマト黄化葉巻病は、トマト栽培農家にとっては厄介な病気です。この病気はTYLCVというウイルスによって引き起こるもので、タバココナジラミによって媒介するとされています。
当社においても2年ほど前より国内外の耐病性品種の栽培試験を行っておりますが、肉質や生育の品種間差はあるもののTYLCVによる病徴は見られず植付けから収穫まで正常な生育をします。
ここで問題になるのは、耐病性品種がいくら正常に生育している植物体であってもTYLCVが感染している可能性があるという事です。つまり、耐病性品種はTYLCVが植物体内に侵入してもその病徴は現れず、保毒した状態で正常に生育し着果、収穫まで出来るのです。
この事は、今まで黄化葉巻病に悩まされていた栽培者にとっては画期的な事で、収量も落ちず防除も省けると絶賛されがちですが、一方でその扱いを誤れば産地内のウイルス密度を上げてしまう事となり注意が必要です。
従来の防除方法では、施設内で発生した株は抜き取っておりましたが、耐病性品種では罹病株か非罹病株かを見分けることができず、感染株を放置する状態となります。また、外から侵入する媒介虫とされているタバココナジラミは野外では越冬できず一時的に生息密度は下がりますが、耐病性品種を栽培している施設内では、病徴がでないため媒介虫の存在さえも無関心となり防除があまくなり、しかも加温されているため施設内に一年中生息している状態となります。つまり、病原ウイルスTYLCVは耐病性品種という隠れみので生きつづけ、媒介虫によってさらに増殖をくり返し、耐病性品種の栽培施設がウイルスの保毒施設となり、また、媒介虫の養育施設ともなりうるのです。
また、このウイルスはトマト以外にもピーマン、タバコ、トルコギキョウなどにも感染し被害が拡大する恐れがあります。
当地方ではファーストトマトなどの感受性作物が多く栽培されており、耐病性品種を栽培した事によって、他の品種、品目が栽培できなくなる危険性があります。
今後、耐病性品種の導入にあたっては、産地全体を見据えた上で検討する必要があります。 |
平成19年2月
中神種苗店 |
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